◆一章◆

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  銀の燭台の 僅かな灯りが 広すぎる部屋を 照らし出している。 『森には 獣がいて危ないから 僕の家に行こう』 そんな ライルの提案に 自分の状況もわからず 他に頼る者もなく 心細い真璃亜が頷いて。 嬉しそうな笑みを浮かべ ライルは 真璃亜を抱き上げた。 突然のお姫様だっこに 顔を真っ赤に染め 抗議の声を上げると 少し寂しそうな顔のライルが 真璃亜を下ろして。 二人並んで 薄暗い森を歩き たどり着いた先は 家と呼ぶには大きすぎる 森に囲まれた城だった。  
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