◆一章◆

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  急かすようなその眼差しに 真璃亜は 慌ててスプーンを握り 目の前の料理を口に運んで。 「…おいしい」 そう呟くと ライルは 満足したように微笑み 自らも料理を食べ始めた。 食事も終わり ライルが皿を片付け 今度は飲み物を持って 戻って来る。 琥珀色の飲み物からは 湯気と共に 良い香りが立ち上り 真璃亜の心を癒やす。 すっかり緊張も解け 胸に湧き上がる疑問を 質問してみることに。 「ライルは ここに一人で住んでるの?」 「そうだよ。 人間に会ったのは 何年ぶりかな…」 少し寂しげな笑顔で 真璃亜を見つめながら ライルが答えた。  
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