~ 出会い ~

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自動ドアが開いた 「あら、こんにちは涼さん」 「オーナーいる?」 「オーナーは外出しております」 「奥野さん、その男に丁寧な扱い、いらないから」 上から声が聞こえてきた。 「オッス」 「やっと描いたみたいね」 沙弥香が階段をおりてきた。 「見せて」 俺は絵を壁にかけた 「……」 「どう?」 「珍しいわね あなたが人物を描くなんて」 「そうか」 「そうよ とても優しい顔をしている」 その絵はあの日俺が見た光景… 「父もホットするでしょ、これでやっと個展が開けるって」 「そりゃどうも ご心配をかけました」 かるく笑いあう二人 「ね、食事に行かない?おごるわよ」 「今日はいいや、また頼む」 「そう」 画廊を出て、俺はあの場所へ向かった。 ザーザー 急に雨が降り出した。 「雨か」 走りだす俺 ドン 「あっ」 小さい体が俺にぶつかった 「ごめんなさい」 「俺のほうこそ大丈夫?」 「はい…あの…?」 俺を見つめる瞳 彼女だ… これが俺と彼女の二度目の出会いだった
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