山ノ中ノ闇

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早いもので。 あたしがこの研究所に来て1ヶ月がたとうとしていた。 検査をして、結果わけをして…… なにが基準なのかよくわからないが【ホワイト】達も何人かカラーわけされ、わけられる度にどこからか新たな子供達が追加されてくる。 カラーわけされた子供達をたまに見かける事はあったが、いつの間にかやめていたりもして、なんだかさみしく感じたりもする。 あたし自身、いつまでいるかはわからないのだが、毎日のように一緒に過ごしているため、いつしか情がわいているのだ。 あたしは今日もいつものように、回収した検査用紙をわけていく。 この『わける』という作業が難しい。 検査はテストではないから答えに正解不正解があるわけではない。 それぞれの考えが書かれているため否定肯定もできない。 どうやって『わける』のかというと…… 数ある質問のうち、1問だけに着眼する。 例えば 『あなたは朝食は食べる? 食べない?』 という質問があるとする。 その答えを3通りにわける。 まず『食べる』 次に『食べない』 そして『食べたり食べなかったり』 書き方は違うが、大体でいいのだ。 こういう質問とは違い、抽象的なものもある。 『あなたはどこ からきた存在か?』 この場合は答えは何通りもあるが『わける』マニュアルがあるため、これまた3通りにわけていく。 『両親から生まれた』 『神様がつくった』 『こうのとりが運んできた』 『キャベツ畑から生まれた』 『母の卵子と父の精子が……』 『わからない』 現実的なもの、神秘的なもの、解答になっていないもの。 この判別が難しい。 まぁ、あたしが『わけた』後で研究者がもっと細かく検査結果を『わける』らしいので、多少間違えていても大丈夫みたいだが。 この検査が本当に少年犯罪をなくすために役立つのか? 疑問はいつまでもぬぐえなかった。 ◆◇◆◇◆◇ 「明衣さん! 今日キノコ採りに行こうよー!」 検査後、そういって誘ってくれたのは卓哉だった。 「キノコ?」 卓哉や伊藤、谷に他に2人の【ホワイト】達が集まってくる。 「この近くでね、色々なキノコが採れるんだって!」 そういったのはポニーテールが特徴的な智香子という少女。 「誰から聞いたの?」 その問いには智香子の隣りにいた【ホワイト】最年少の麻美がにこにこと笑いながら 「庭師のおじさん」 と答えた。
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