同級生なり

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修平達は、最終的に修平のダンクで決めた。 結局、力押しなんだな。 さぁ、次からは、本気だ。 真剣に点取り屋になる。 「力押しだな。」 修平達が戻ってきた。 「まっ、とりあえず、一年には実力とか体力とかの違いをわかってもらうのが、目的だからな。」 「そうか。実力差を見せつければ、いいんだな。」 なら、迷う必要は皆無だな。 一年の心が折れるまで、点を取る。 「なぁ、お前…まさか…」 「ようは圧倒的に勝てばいいんだろ?簡単だな。」 俺は、目的もはっきりして意気揚々と相手コートに乗り込んだ。 後ろで、急に青ざめた表情になっている修平は無視だな。 「なぁ、皆。すまない。今年は一年が一人も入らないかもしれない…。」 修平が、皆に頭を下げてるようだ。 試合は、わずか20分で終了した。 何故か主将に止められたのだ。 もう少しで60を越えるところだったのに、残念だ。 「………。」 俺が悔しい気持ちを噛み締める中、修平と主将を除いた他のメンバーは、打ち砕かれたように手をついて下を向いていた。 「…京一、やりすぎだ。」 修平がポンッと肩を叩く。 「は?何がだ?」 やり過ぎ? 本気でやれ、と言ったのは修平だろう? 「20分で50オーバーはいくら一年相手でも、やり過ぎだ。うちのメンバーまで、心が折れちまった。」 そういえば、皆が倒れてるな。 申し訳ないことをしたな。 張り切り過ぎた。 「…まぁ、仕方ない、な。ね、主将?」 俺の落ち込んだ空気を察してか、修平は首を振ると主将に向き直った。 「あぁ、仕方ないな…。敵にすると怖いが味方になると思うなら、た…」 「俺は入りません。」 危ない、危ない。 危うく入れられるトコロだった。 俺は主将を遮り、スッパリ断った。
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