同級生なり

13/16
前へ
/63ページ
次へ
女子バスケ部は総勢20名程だった。 結構少ないと思うだろうが、うちの部活は競争が激しいため、レギュラーになれない大半が2年にはやめてしまう。 だから、これだけになってしまっている。 主将、修平、俺と3人がそれぞれ指導することになった。 主将と修平に集中して、皆が集まるだろう。 俺は2、3人を適当に教えればいいだろう。 が、本日の俺の平凡はすでに奪われていたらしい。 気付くと、予定通り3人ほどが目の前にいた。 皆、長身で俺と同じくらい。 小さいくても、俺の肩くらいに目線がある。 ちょっと威圧感があるな。 1人は、やたらガン見。なんだか敵意を感じる。 敵意を振り撒くなら、俺のところに来ないで欲しいと切に思う。 もう1人は目を合わせると下を向いて、挙動不振。 目すら合わせない人間をどうやって指導するんだ? 最後の1人は、ニコッと笑いかけてくれた。 こいつが一番まともだな。 ただ、俺の周りに集まる人間は、癖が強い。今まで生きてきた中で、まともなやつに会えた試しがない。 なので、気は抜けないな。 平和に終わればいいんだが。 「ねぇ、あんた。」 俺が3人を観察していると、敵意を持った声が聞こえた。 もっとマシな言い方をして欲しいものだ。 初対面の人間にあんたはないだろう。 「…なんだ?」 対して、俺も初対面だと少しぶっきら棒になってしまう。 「昔、バスケットやってたの?」 割りと普通な質問だな。 よかった。 「授業でやったな。」 俺は昔から部活に所属していない。 まぁ、あんな家族だし、こんな俺だから仕方ないだろう。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加