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次の瞬間、彼女の表情は、驚愕に変わった。
周りの2人も同じ表情になっていた。
「な、なんで、授業だけであんな風にできんのっ。」
息が止まったのか、少し咳き込むようにどもりながら言ってきた。
「あぁ、そうだ。修平といつも勝負してたからな。」
中学の頃、体育の時間の度に修平と勝負をしていた。
…バスケでは結局負けてたな。
「修平と…あんたなんかで勝負になったの?」
明らかに動揺を見てとれる。
まぁ、バスケ部のエースだから、当然だ。
「まぁ、バスケは負けたな…。」
「ま、まぁ、そうよね…。」
少し落ち着いたみたいだ。
「あのぉ~バスケットの勝負ってなにをしたんですかぁ~?」
間延びする話し方は、小百合とそっくりだが、チラチラと顔を窺いつつ話すのは、どうなんだろうな?
挙動不審にしか見えないのは、俺だけなのか?
「…1試合で何点取れるか。個人で対決するのに、それ以外にあるのか?」
バスケットと言えば、点の取り合いだ。
ドリブルなんて過程より、結果を残す方が大切だろう?
「…そうですか。」
彼女はすぐに頭を下げた。
なにやらその後、メモを取り出し、ブツブツ言ってる。
やっぱり怪しい。
「どれくらいの差で負けたの?」
さっきまでニコニコしていたのに、意外と真剣な顔つきだ。
バスケに対して、真面目なんだろう…。
「…最後の時は、確か70対69の1点差だったな。」
俺の答えにまたしても固まる3人。
鉛筆が折れてるぞ…。
綺麗に真っ二つに。
「「「なんですってぇ~」」」
申し合わせたようにピッタリだ。
顔まで。
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