19人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日も平々凡々と俺の生活が始まるはずだった。
しかし、世の中は甘くない。
「…油断した。」
どうやら、俺も春休みボケなるものに侵されていたようだ。
すでに家に人はいなく、カオスな台所だけが残されていただけだった。
もう遅刻だ。
今更、焦ることなんてない。
俺は、ゆっくりと朝食を摂り、カオスな台所と戦闘を開始した。
現在、10:30。
それから、暫くして俺は、やっと学校に向かった。
平日の昼間というのもあり、人通りは少なく、学生服で歩く俺が奇異の眼差しをあまり受けなかった。
まっ、おばさんとかに耳打ちはされたけどさ。
で、堂々と開け放たれた正門から入った。
この御時世になんとも手薄な警備だよな?
警備員こそ居るものの、じいさんだし、しかもじいさんの力じゃ到底閉めれないようなごっつい門だし。
…だから、開けっ放しなのか…。
「京くん、今から登校かねぇ~?」
のんびりした声がかかった。
「おはよう。寝過ごしたみたいだ。」
このじいさんは、昔から遊んでもらったりしていた。
いつも俺のことを孫だって言ってる。
「そうかぁ~。あんまり遅刻せんようにのぉ~。」
じいさんの言葉に苦笑いと、手を上げて答えて、とりあえず職員室にむかう。
まずは、遅刻届けなるものを書かないといけないからな。
面倒なこと、この上ない。
恥ずかしいよな。
グラウンドで体育をしてる横を通らないと、職員室にいけないなんてさ。
俺は、視線を感じつつも足早に職員室を目指した。
途中、なんか悲鳴みたいな声が聞こえたけど、気のせいだよな?
「誰か起こしてくれてもいいのにな…。」
つい恥ずかしさを隠すために愚痴を溢してしまう。
遅刻は自分のせいだ。
仕方ない。
最初のコメントを投稿しよう!