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シャワーが終わり、着替えて、ベッドに座っている。
何故、シャワーシーンがないのかって?
男の裸を赤裸々に描写したところで、あまりいい気のする人が少ないだろう…。
これがおもな理由だ。
で、なるべくゆっくりシャワーを浴びて、なおかつ、都合良く湧いていた風呂に入ったわけだが、
時刻は、6時半。
まだまだ余裕のある状態だ。
しかし、あなどることなかれ、雲雀家は、俺を除く全員が朝に弱い。
なので、朝飯の準備は俺の仕事となっている。
……勘違いのないように、説明しておく。
両親は、共に健在で、雲雀家は、6人家族だ。
とまぁ、とりあえず朝飯の準備に取り掛かる。
ご飯は昨日、タイマーをセットしたため、問題ない。
おかずは、目玉焼きと味噌汁くらいでいいだろう。
それ以上は、面倒だ。
俺が朝飯を作っていると階段から、足音が聞こえてきた。
なんともゆっくりとした歩みだ。
まぁ、いつもこんな感じだ。
「京ちゃん、おふぁよぉ~。」
欠伸を隠しもせずに、俺に京ちゃんと声をかけるのは、彼女しかいないだろう。
「おはよう。母さん。」
そう、俺の母、雲雀 杏子だ。
まだ、目が覚めていないのか、ぼ―っと突っ立っている。
「母さん、もうすぐできるから、顔洗ってきたら?」
俺は、調理の手を止めずに、声をかけた。
「ふぁ~い。」
のそのそと歩く音が聞こえる。
また足音が聞こえる。
「京一ぃ~、風呂ぉ~、湧いてるかぁ~?」
またも、間延びした声が響く。
やや低めの声が響く。
父、京矢だ。
「おはよう、父さん。沸いてるかな。」
俺が入った後だし、まだ大丈夫だろう。
「はいよぉ~。」
声と共に、またのそのそと歩き去った。
料理が終ったので、皿を並べ始める。
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