家族なり

3/9

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
シャワーが終わり、着替えて、ベッドに座っている。 何故、シャワーシーンがないのかって? 男の裸を赤裸々に描写したところで、あまりいい気のする人が少ないだろう…。 これがおもな理由だ。 で、なるべくゆっくりシャワーを浴びて、なおかつ、都合良く湧いていた風呂に入ったわけだが、 時刻は、6時半。 まだまだ余裕のある状態だ。 しかし、あなどることなかれ、雲雀家は、俺を除く全員が朝に弱い。 なので、朝飯の準備は俺の仕事となっている。 ……勘違いのないように、説明しておく。 両親は、共に健在で、雲雀家は、6人家族だ。 とまぁ、とりあえず朝飯の準備に取り掛かる。 ご飯は昨日、タイマーをセットしたため、問題ない。 おかずは、目玉焼きと味噌汁くらいでいいだろう。 それ以上は、面倒だ。 俺が朝飯を作っていると階段から、足音が聞こえてきた。 なんともゆっくりとした歩みだ。 まぁ、いつもこんな感じだ。 「京ちゃん、おふぁよぉ~。」 欠伸を隠しもせずに、俺に京ちゃんと声をかけるのは、彼女しかいないだろう。 「おはよう。母さん。」 そう、俺の母、雲雀 杏子だ。 まだ、目が覚めていないのか、ぼ―っと突っ立っている。 「母さん、もうすぐできるから、顔洗ってきたら?」 俺は、調理の手を止めずに、声をかけた。 「ふぁ~い。」 のそのそと歩く音が聞こえる。 また足音が聞こえる。 「京一ぃ~、風呂ぉ~、湧いてるかぁ~?」 またも、間延びした声が響く。 やや低めの声が響く。 父、京矢だ。 「おはよう、父さん。沸いてるかな。」 俺が入った後だし、まだ大丈夫だろう。 「はいよぉ~。」 声と共に、またのそのそと歩き去った。 料理が終ったので、皿を並べ始める。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加