19人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、2人が俺に抱きつく。
「お兄ちゃ~ん」
可愛い妹達が抱きついて来る。
俺は2人をそのまま抱え、下へと降りる。
「ほら、とりあえず、顔洗ってこい。」
「「はぁ~い♪」」
2人は聞き分けよく、洗面所へ向かった。
と、まぁ、これが我が雲雀家の人々である。
朝はわりと、平凡な方だ。
なんせ、皆、あんまり目が覚めていないから。
俺は、そのまま台所へと戻り、朝飯の準備を続けた。
そして、家族全員が席につき始める。
「皆、まずは、挨拶からだ。おはようございます。」
父、京矢の声が響く。
「おっはよ~♪」
先程とは違い、一段とテンションの高い母、杏子。
「おはよ~♪」
さらにテンション高めな姉、春美。
「「おはよ~ございま~す♪」」
ペコリとお辞儀をした沙希に亜紀。
「おはよ~。」
今日、何度目かわからない挨拶をする俺。
「よし。今日も元気だな。じゃあ…」
父さんが、手を合わせる。
「「いただきます!!」」
これが雲雀家の朝の始まりである。
「なぁ、杏子、今日って、なにかなかったか?」
父さんが、箸を止めて、母さんを見る。
「…えっ?私は何も聞いてないわよ…?春美、何か聞いてる?」
母さんは、黙々と食事に勤む春美を見た。
「…ん?何?」
春美は話を聞いていなかったようだ。
キョトンとした顔で、母さんを見る。
「京くんが、今日は、学校で何かあるんじゃないかって、私は、聞いてないんだけど、知ってる?」
母さんは、味噌汁を吸いながら、答えた。
「何かあるの?」
春美は、俺に聞く。
まぁ、いつものパターンだ。
一気に視線が俺に集まる。
「今日は、始業式。父さんがスピーチして、母さんが司会。姉ちゃんは、生徒の誘導じゃなかった?んで、沙希と亜紀は、俺と一緒に登校だ。」
我ながら素晴らしい。
家族の予定は全て頭に入っている。
「お兄ちゃんと一緒ぉ~♪」
「一緒ぉ~♪」
沙希と亜紀は、嬉しそうに笑い合っている。
最初のコメントを投稿しよう!