家族なり

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2人の食べている姿は、とても可愛らしい。 口一杯にご飯を詰め込んで、一生懸命に食べている。 「美味しいか?」 俺は思わず、聞いてしまった。 あまりにも、一生懸命に食べているので。 「「うん♪」」 「そうか♪後で、林檎もあるからな♪」 そう、実はデザートまであったのだ。 簡単過ぎたので、ついでに剥いておいた。 2人共、ニッコリ笑った。 ちなみに、俺は沙希や亜紀が食べ終わるまで、片付けはしないし、席を立つこともない。 沙希や亜紀には、しっかりと朝飯を食って欲しい。 だから、2人が慌てるようなことは一切しないし、遅刻すると分かっていても絶対に待ってる。 これは、小さい頃に、母さんがしてくれたことだ。 だから、小さい妹達にもちゃんと同じようにしてあげたいと思って、自主的にやっている。 これは、父さんや母さんも納得してくれている。 「「ごちそうさまでした。」」 2人は、一緒に手を合わせた。 なんとも可愛い仕草だ。 「はい。よく出来ました。じゃあ、俺は片付けするから、準備をしてきてくれ。」 2人の頭を優しく撫でて、部屋へと促した。 2人は、ニッコリ笑って走っていった。 とりあえず片付けを始める。 そういえば、デザートを忘れてた。 まぁ、出かける前に食べればいいか。 なんてことを考えながら、洗い物を始める。 すぐに終わった。 リビングでテレビを見る。 つまらないな。 あんまりニュースとかに興味がない。 「お兄ちゃ~ん、髪、とかしてぇ~!!」 沙希の声が2階から元気よく響いた。 「くし、持って降りてこぉ~い。」 俺は2階に向かって叫んだ。 「はぁ~い♪」 ドタドタとまた慌ただしい音がして、ピンクのランドセルを背負った沙希が降りてきた。 後ろにはもちろん亜紀もいる。 「お兄ちゃん、持ってきたよ~♪」 沙希は、櫛をパッと渡して、俺の前に座った。 俺は櫛を通し始めた。
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