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さてさて、休日も終わり今日から授業も開始される。
そして俺は痛感する、授業のレベルの高さ。
…あれだ、あれ、授業を受けてわからない所がある、そして当然ながらわからない所を考える。
その行為だけで最早ハゲそうだ、いやそれ以前に髪の毛ひっついたまま頭皮がとれる、カツラの如くべりっと。
何でも聞いた話では高校二年レベルの教育を受ける傍ら専門的な知識も教えられるんだって、高校で哲学科があって流石に驚いた。
哲学に浸る高校生ってどんなだよ。つーか帝王学って学科になるわけ?
どうしよう、学力について行ける自信ないし。つーか俺の家リーマンだし、継ぐ会社とかないし。
あ、そうそう。
ここに通ってらっしゃる御曹司は誰もが名前を聞いたことがある会社のご子息とか、名のある名家の御曹司様とかがふんだんに通っていらっしゃる…何でも金持ちだけじゃ駄目らしくある程度の家柄が無くちゃ入学拒否されるらしいぜ、。
あの道端をぱっかぱっかと歩いていたお馬さんは今の生徒会執行部の会長さんのパパさんが四頭寄付して、更にあの偉そうな華柳副会長のパパさんが六頭寄付したらしく、やむを得ず乗馬倶楽部が出来たとかって絢ちゃんから聞いた。…金持ちはアバウトなんすねー。
今は不況だと聞くけれど全然そんなのは感じられない、つーかこの学校のプールとか水じゃなく札束なんだぜ、きっと。トイレとかも純金で出来てるんだぜ、きっと。
疲れる事は疲れるがこの学校のレストランみたいな食堂がお気に入りだ、雰囲気が落ち着いていて過ごしやすいし何より専用のシェフ…料理長が元五つ星レストランのシェフでそんなシェフが手がけた飯をなんと、タダで食えるのだ、タダで。
嗚呼、タダって素晴らしい響き。
「ユーちゃーん、聞いてるー?おーい!」
「うん?…ゲッ。」
忘れてた、今の今まで現実逃避に浸っていたのを!
今は昼休み、さぁ食堂に行こうと広い机の上の教科書をしまっている最中、盛大に馬鹿広い教室のスライド式のドアが開いたのだ。すっかり定着してしまった俺の呼び名をドアを開けた張本人がデカい声で呼びながら。
それは勿論、昨日会ったモデルのKeNこと、都央 絢。
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