3

2/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
――ここはどこだ? 暗い。ひたすら暗い。 周りを見渡しても一面漆黒の闇。 右も左み上も下も前も後ろも何もわからない。 歩こうとしても足が動く感覚が全く無い。 僕は、いったいどこにいるんだ? ふと、前方に、いや前じゃないかもしれないが小さな光がみえた。 その光は、だんだん近づいてきて、だんだん形がはっきりしてきた。 人だ。 その光は、やがてはっきりとした人の形になった。 しかし、まだ誰なのかは、分からない。 もしかしたら知ってる人かもしれないし、全く知らない人かもしれない。 突然、人の顔が分かった。 見えたというよりは、思い出したというような感覚でその人物が分かった。 ――滴だ。 なぜか滴が物凄く険しい顔つきで僕の近くに立っている。 声をかけようとしても声がでない。 滴が何か言っているのが聞こえてきた。 何を言っているのか分からないがその声は、だんだんと大きくなっていき、そして、わかった。 ――呪いの言葉。 くっ…こいつ僕に呪いを?! 何故、滴が呪いを使えるんだ!? 心臓が早鐘をうつ! 落ち着け。落ち着け。落ち着け!! そうだ!急いで呪い返しの用意を!! 滴が呪いの言葉を言い終えた途端、滴の横に霊がでた。 主従契約!? 主従契約には、膨大な霊力と、とてつもない技術に……霊が必要なはず。 何故!? 霊との契約は己の命をも削るというのに! いや、まず呪い返しの呪文を唱えなければ!! ――しまった!声が!! 滴の霊が僕の額に手をのばしてくる。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!