5

2/6
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「議員は何で選ばれる?」 放課後になり僕は滴に勉強を教えていた。 「え?何だろう?議員?議員はぁ…」 選挙だろ……。 僕は、こいつに勉強を教える事ができるのだろうか。 「えーと、えーと、わかったぁっ!」 お、出来るか? 「顔でしょ!?顔!!」 僕は持っていた教科書をまるめておもいっきり叩いた。 「いたっっ!」 「選挙だろ?人を見た目で判断してんじゃねーよ!」 期待した僕がバカだった。 「だってぇ~」 「だってじゃない。てか乃亜はどうした?」 「ん?用事があって来れないって言ってたよ」 やけに嬉しそうに言うなコイツ。 まぁ、どーでもいいけど。 「なぁ、智夜ちゃんって何時も門の所にいるのか?」 「ううん。学校のあちこちにいるよ。でも、門のとこが1番好きなんだって」 「学校をうろついてんのか?」 「うん」 「でも僕が智夜ちゃんを見たのは昨日が初めてだぞ?」 「フッフッフ。君には見つけられるワケがないのだよ~」 滴は指をふってそう言った。 「何で僕だけなんだ?」 「智夜ちゃんは恥ずかしがりやだからねぇ」 成る程。…でもそれなら 「私は、いいんだよライバルだし。それより何で君は自分の事になるとそんなに鈍感なのかな?」 こいつには言われたくねぇ。 「うるさい」 突然、背筋が凍るような感覚がした。 「もぉー。直ぐ怒るんだからぁ」 「怒ってねーよ。ほら、帰るぞ」 僕は肩にカバンをかけ言った。 「え?まだ1問しかしてないのに?」 「ドラマの再放送あんだよ」 もぉーと言いながら渋々、滴は立ち上がった。 イヤな予感がする。 どうしようもなく嫌な感じが。 早く帰らないと。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!