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「議員は何で選ばれる?」
放課後になり僕は滴に勉強を教えていた。
「え?何だろう?議員?議員はぁ…」
選挙だろ……。
僕は、こいつに勉強を教える事ができるのだろうか。
「えーと、えーと、わかったぁっ!」
お、出来るか?
「顔でしょ!?顔!!」
僕は持っていた教科書をまるめておもいっきり叩いた。
「いたっっ!」
「選挙だろ?人を見た目で判断してんじゃねーよ!」
期待した僕がバカだった。
「だってぇ~」
「だってじゃない。てか乃亜はどうした?」
「ん?用事があって来れないって言ってたよ」
やけに嬉しそうに言うなコイツ。
まぁ、どーでもいいけど。
「なぁ、智夜ちゃんって何時も門の所にいるのか?」
「ううん。学校のあちこちにいるよ。でも、門のとこが1番好きなんだって」
「学校をうろついてんのか?」
「うん」
「でも僕が智夜ちゃんを見たのは昨日が初めてだぞ?」
「フッフッフ。君には見つけられるワケがないのだよ~」
滴は指をふってそう言った。
「何で僕だけなんだ?」
「智夜ちゃんは恥ずかしがりやだからねぇ」
成る程。…でもそれなら
「私は、いいんだよライバルだし。それより何で君は自分の事になるとそんなに鈍感なのかな?」
こいつには言われたくねぇ。
「うるさい」
突然、背筋が凍るような感覚がした。
「もぉー。直ぐ怒るんだからぁ」
「怒ってねーよ。ほら、帰るぞ」
僕は肩にカバンをかけ言った。
「え?まだ1問しかしてないのに?」
「ドラマの再放送あんだよ」
もぉーと言いながら渋々、滴は立ち上がった。
イヤな予感がする。
どうしようもなく嫌な感じが。
早く帰らないと。
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