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「ねぇ、知ってる?」 ここは鹿児島県のとある離島。 とある田舎。 僕は中学生なので普通に学校に通っている。 まぁ、今日は平日だし。 残念な事に今は自習の時間である。 しかし、にもかかわらず僕の隣の席では女子が4~5人集まり、取り留めのない下らない話を今始めようとしているのだ。 「ん?何?」 「最近、どうにも不審者が出るらしいよぉ」 「え?どこに?どんな人が?どんな格好で?何のために?!」 お前きき過ぎ。なんか、めちゃくちゃ興奮してるし。そんな詳しく調べてどうすんだよ。 「もぉ~。そんな知ってるワケないじゃんっ」 でしょうね。 「滴(しずく)ってめちゃくちゃ追求してくるよねぇ」 「えへへ~。だって気になるじゃん。面白そうだし。」不審者に興味もってんじゃねぇよ。 不審者にめちゃくちゃ興味を持つ少女名前は 壱水滴(いちみずしずく)。 僕と同じ中学2年生だ。 しかし、一見ただの変人っぽい滴なのだが一応僕の友達でクラスでは結構かわいいとの評判だ。 男子にファンがいるくらいだし。まぁ、僕としては何だろうと構わないので読書でもしようかなと本を手にとった途端「ねぇ~、コレ教えてぇ?」滴が声をかけてきた。 雑談をしながらも勉強に励もうという心意気は認めるけど残念極まりない事に勉強が出来ない。全く出来ない。なら運動ならと思ったところで滴は運動も出来ない。全然出来ない。 滴に勉強教えるのってめちゃくちゃ面倒なんだよなぁ。 でも考えて欲しい。 ここで僕が教えないという事はクラスの滴ファンの男子を全て敵にまわす事になるって事だ。 「教えてぇ~?」 教えるしかないか…。 「X+X?!…これはXが2つあるから2Xになるんだけど…解る?」 「あー…うん。」 こいつ…解ってないな。 僕は諦め読書を始めた。 「あのぉ…放課後にさぁ勉強みてくれない?」 メンドくせぇ。 「ごめん。悪いんだけど用が…。」無いけど仕方ない選択だ。 「うぅ…分かったよ…ジャマしてごめんなさい」 あーあ。泣きだしそうだよ。 しかも、ファンの連中と思われる男子達からの視線がイタイ…皆して断るなよって目ぇしてる。 そして、隣の男子の舌打ちが聞こえる。 前の席の奴は、ちらちらとコッチを盗み見る。 僕が何をしたっていうんだ。 そこまでするならお前らやれよ。 ――ったく。 「分かったよ」 「ん?」不思議そうな顔で滴が僕の顔を覗き込んでくる。
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