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「フフフ。いやはや全く。モテる人は辛いんだなな」 耳障りな笑い声+うざったいセリフと共にやって来たのはクラスメートで友達の新堂乃亜(しんどうのあ)。 背は結構高い方で顔もよくて運動なんかも出来ちゃってベタなマンガの主人公のライバル的な人間なのである。 「うるせぇよ。滴がお前にだけ優しくしないからって妬いてんじゃねーよ。クズ」 滴が乃亜に優しくしない理由は、いまだ不明。 「なっ、何を言う!しっ、滴たんは、多分…シャイなんだ!」 「お前、滴の呼び方はオタっぽいな」 シャイって言った事に対してはメンドいからつっこまないでおいた。 「かっ、か、可愛いじゃないかっ」 すげぇ。顔が真っ赤になってる。 とことんベタな奴だな。 「ところで頼みがあるんだがいいか?」 「ん?何だ?」頼み?こいつにしては珍しい。 「滴たんの個人情報全部教えてくれ」 アホだ。 「僕が知ってるワケ無いだろ」 「いや、お前は知ってる。知ってるけど独り占めしておきたいんだろう?図々しい」 「知るか。呪うぞお前」 「へぇ。お前の呪いは霊にしか効果が無いんじゃなかったのか?」 くっ… 「それに職権乱用っていうだぜソレ」 うぜぇ。僕が仕事上人を呪えない事をしっかり理解してやがる。 「いや…違うな。呪いはちゃんと効くけど仕事の掟で呪う事が出来ない。」 掟が無かったらなぁ。 「それに人に効く呪いが少ないんだ」 だいたいが対霊用だし。 「ノリで人を呪ったところで効かないのはそのせいだ」 「へぇー。だから効かないのか。」 こいつ絶対誰か呪ってんな。案外僕だったりして。まぁ、どーでもいいけど。 「じゃ、もう席戻るわ」 「あい」
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