第一話

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雪が静かに降っている。 空は重い雲に包まれ、冷たい空気が支配する。 「おいっ!ハクっ!ちょっと待てよっ!」 木の一本もない… どこまでも続く雪の中を二人の少年が歩いていた。 「何だよ。早くしろよな、ゼノル…。」 ハクは呆れた顔で、遅れて歩く親友を見る。 「早くしろと言われても…。」 雪に足をとられて先に進むのがやっと。 ゼノルは息を切らしながら、何とかハクに追い付く。 「お前……元気すぎ…」 疲れ切った様子でハクの肩に手を置く。 「そう?普通だと思うけど?」 ハクから、けろっとした返事が帰って来た。  
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