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「ね。柊一先生って……誰?」
「誰って?」
「正体」
駿はハンドルを握りながら、助手席の藍をちらりと見た。相変わらずの白い顔が、より一層白さを増していた。
「正体って…バケモノじゃあるまいし。箏の腕はバケモノだけどな」
「……そうだよね」
「どうした急に?」
「うん、あのね…」
───私が5歳の時、持病の発作を起こして救急車で運ばれて、緊急入院したことがあったの。気が付いて、目を開けると…
「お。目が覚めたかい?」
髪の色や話し方は違うけど、すごく柊一先生に似てるの。あの時は普通のお医者さんとしか思ってなかったけど。でも…時々だぶって見えて、変な気持ちになる。
そして、何より気になるのがピアス。漆黒に輝く、丸く瞳のような黒真珠。
柊一先生も、そのお医者さんも、同じピアスだったの…───
「偶然じゃないか?5歳の時なら、見間違いってことも…」
「ううん。あれは絶対同じ!」
「そうかいそうかい」
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