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絶叫しながら目を覚ました。
自宅のソファの上。閉めきったカーテンの隙間から薄い陽が漏れている。
時計はまだ6時だった。最近午後2時に目が覚めるからって、緊張して眠れなかったのか。チキンハートだなと思いながら、藍はのんきに浴室へ向かった。
ふと気付くと、カーディガンとブラウス、それぞれ一番下のボタンが取れていた。
(記憶が…飛んでる…?)
この頃何となく忘れっぽいのを感じていた。しかし生活に支障が出るほどではないので、大して深刻に思ってはいない。
昨日の晩──
「おい…ダメだって、そんなところで寝たら!」
「うるさいなぁ…どこで寝たって…同じよ…」
藍の頭は半分寝ていたのだろう。駿の顔が…近い?
「藍…俺は……」
シャワーの蛇口をひねろうとして、背中が凍りついた。
「まさか、そんなはずは…!」
それ以上の記憶はなかった。自問自答する自分が情けなく思えた…。
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