失踪

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* 「鍵が掛かってない…!」 「藍!!」 柊一は扉を無理に開け放ち、藍のアパートに上がり込んだ。 「藍…いるのか!?」 柚子も後から入って、浴室や寝室など全ての部屋を捜した。 「いないみたいです…他を回りましょう」 ──ピピピピピピ…… 柊一の携帯電話が腰ポケットで鳴っていた。2人とも気が動転していて気が付かなかったようだ。 「もしもし…」 『俺だ。駿だ』 「駿か…そっちに連絡は…」 『ああ。さっきから藍に掛けてて、やっとあいつしゃべったんだ!場所は…』 「俺の家…?なんで俺の家なんだ」 『いいからそんなこと!早く行けよ!』 駿の怒号で耳鳴りがした。 ──おい…ダメだって、そんなところで寝たら… 『うるさいなぁ…どこで寝たって…同じよ…』 藍は半分寝ていた。ソファの上で格好も気にせずに横になる姿を、駿は見ていられなかった。 『…藍。俺は…帰るから』 駿は藍のやわらかい髪を撫で、唇を重ねた…。 『ごめ…なさい…しゅう…』 『…え?』 濡れた瞼が近く…すごく近くにあった。眉根を寄せ、夢の中で泣いていた。 『…しゅう…いち…』  
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