鹿威しが石を打ち鳴らすと同時に、背広にバッジを付けた男性が口を開いた。
「今回も何から何まで面倒みて頂き、本当にありがとうございました」
男性はそう言うと小太りの男性に近寄り酌をする。
小太りの男性は一気に飲み干し、一息ついた後に話を始める。
「今回の件が露見すれば、私も少なからず被害を被るからな…」
「絶対に大丈夫です…貴方には迷惑はおかけしません」
「頼むよ…」
そう言うと小太りの男性は、空いたおちょこを無造作に差し出し、酒を注ぐように促す。
酒を一口飲み「あの遠山ってのは昔を掘り返し、一体なにをするつもりなんだ?」と、苦々しい表情で言い放った。
「必要ならば…自殺に見せかけて…」
「早いうちに芽は摘んだ方が良いかもな…」
小太りの男性が独り言のようにポツリと言うと、バッジをつけた男性は頷くと同時に、携帯を取り出し部屋の外を出た。
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