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明弘の言わんとしていることが分からずに、不安なままの私達。
「意味がわからん。端的に言え」
若干、この人の声に怒気が混じるのも仕方ないのかもしれない。
「こいつの友達になってやってくれ!」
―――友達、
それってどんなもの?
私にはそんな存在居たことがないからわからない。
一哉だって明弘だって、
きっと『友達』じゃない。
「はぁ???よくわかんね-けど、お前がそ-やって甘やかして、手を差し伸べるから、甘えるんじゃね-の?」
心底呆れたようなその人は、ちらりとこっちを見ると、すぐに目を逸らした。
その一瞬ゆらりと揺れた瞳に居抜かれたような感覚に陥ったのは、決して自意識過剰や思い上がりなんかでははないと思う。
その人は、今まで認識していなかったのかが不思議な程の存在感を放って他を圧倒する。
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