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「痛いトコ突くな-…そ-なんだよ。さすが俺の見込んだ男!」
「はぁ?」
「こいつに必要なのは鞭なの。今まで鞭役やってた奴とクラスが離れてなぁ…」
「ちょ……明弘?」
『友達』ってこの人?
明弘とはタイプが違うけれど、一哉とだって全然違う。
一哉が私の隣に居てくれたのには理由がある。
それは、ぶっきらぼうだったけれど優しさに溢れていた一哉だったからこそ、こんな私を一人にしてはおけなかったんだろう。
そして、明弘のためでもあったのかもしれない。
明弘一人で私を背負うには、きっと私は重すぎる。
二人を困らせていることは重々承知していて、だからこそ私の幼さはタチが悪かった。
それでも、外の世界が怖かった。
私のため、
明弘のため、
一哉が傍に居た理由ならある。
でも、この人には無いでしょう?
「で??」
「お前だったら、大丈夫」
真顔で断定する明弘に、疑問符を浮かべるのは取り残されている私達二人。
「なんで俺?」
「お前だから―――」
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