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―――繚乱の4月
公立の中学校
本当は私立の中学にいくつもりで、ピアノを弾く時間を減らしてまで勉強した。
にもかかわらず直前になって、私立の中高一貫に行ってしまうと、
音大の附属高校に行きづらくなってしまうと塾の講師に諭されてしまった。
あと、そういった私立の学校には何よりも私の苦手な「女子」の社会が存在するのだとか―――。
おそらくは後者の理由からなのだろうが、必死に受験を思いとどまらせようとする塾の講師や学校の教師の必死さに打たれて―――というか抵抗するのすら面倒で、結局楽しい思い出なんてほとんどない小学校から連続した社会へと身を投じることになってしまった。
唯一の救いは、大事な大事な幼なじみの一哉(かずや)と明弘(あきひろ)がいてくれたことくらいなのかもしれない。
二人とも自慢の幼なじみで、
私には何者にも替えがたい無二の存在だった。
明弘は甘やかしてくれる
一哉は叱ってくれる
明弘はママで、一哉がパパ
二人とも整った顔立ちをしていて
スポーツだって得意だった
でもそんな二人は私だけじゃなく
クラスみんなの王子様だった
二人を取られたくなくて、
二人の隣が良くて
私は大事な無二の存在に執着した
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