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二人はとても大切な人だったけれど、私の中ではいつの間にか変化が訪れていた。
いつの間にか目が一哉を追いかけている―――。
そんな自分に気づいた頃には、一哉の隣というポジションを誰にも譲れなくなっていた。
正義の味方そのものの正しさを持つ一哉は、男の子たちの中心人物で、仲のいい女の子なんて私だけしかいなかった。
だから、
私にとって一哉が特別なように、一哉にとっても私は特別な女の子だと思っていたよ。
そんな幸せな勘違いが、あの日……終わってしまったんだ。
「唯?お前は大切だけど幼なじみ以上に思えない」
「―――え?」
「そのままの意味だよ。俺は唯のことをそう言う風に見たことは無い。それに、唯の特別な人は他にいるはずだから、俺たちに甘えずにちゃんと探せよ?」
少し寂しそうな目でそう言って部活に行った一哉の言葉が耳から離れなかった。
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