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『特別な人は他にいる』
二人以外いらない
私を傷つける人たちなんか
いらない
二人だけでいい
二人だけで良かったのに、
宝物のようなあの時間も
唯一の陽だまりだったあの温室も
自らの手で壊してしまった
後悔の念から?
それとも寂しさから??
きっとそのどちらでもない涙が頬を伝い落ちる。
幸せだった時間が脳裏を駆け巡る
幸せだった
本当に幸せだった
そう、溢れる涙には幸せな思い出しか詰まっていない。
いつまでも醒めることのない夢の中で、ずっと浸っていたかった。
醒めるから夢だって
そんなこと知りたくなかった
でも―――
醒めなければ、貴方に出会うこともなかったんだと思うと―――
それはとても大切な儀式だったのかもしれない。
イニシエーション―通過儀礼―
温室の心地よさから私を放り出すための儀式は、同時に、新たな出会いのきっかけでもあった。
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