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「あ-……何?」
覇気のない声で、怠そうな話し方をする人が近づいてくる。
見たことがあるような、ないような―――、おそらくはクラスの人なのだろうけれど、正直言って認識したことはない。
「ちょっとこっちに来て、俺を助けてくれ」
「意味わかんね-んだけど」
そう言いながらもこちらに近づいてくる。
背が高い、とか
雰囲気が大人っぽい、とか
そんなことを思いはしたものの、正直言って未知の人と話す怖さに身構えていたはずなのに………。
「コレ、前も話した俺の幼なじみの唯。幼なじみっつ-か俺は唯の母親みたいになってんだけど…」
「意味わかんね-よ」
「俺もわかんね-よ。何故かそんな役回りなの。こいつ、いわゆる『女子』が嫌いでさ-、女の子の友達いないんだよね」
「あ--…で??」
心底無関心っぽい反応に、ほっとしてしまうのは、なぜだろう。
「俺の荷物を半分お前にやる」
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