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運動部なのか、程よく焼けた―春なのに―小麦色の肌。短く切り揃えられたさっぱりとした黒髪。 制服を軽く着崩していて、人懐こい笑顔を浮かべている。
―カッコイイ……
思わず、その人に見とれてしまった。
「おーい? 聞こえてるか?」
声をかけられて、ハッとした。
「……………」
いきなり声をかけられても、どうすればいいか全く分からない。それに人見知りもプラスされて、無言になってしまった。
「……お前人見知りなのか?」
「……………」
何も答えない僕に、思い付いたように聞いてきた“その人”の言葉に、コクリと肯定の返事を返す。
「そっかー、なら仕方ないな!
んじゃ! まず自己紹介でもすっか!」
え? なんでそうなるの……?
不思議に思い、少し首を傾げて考えていると、僕の考えを察したのか
はは っとその人は軽く笑って
「友達になろーって言ってんの! 分かる?」
と眩しいくらいに微笑んできた。
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