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その時、
「葵ちゃーん!」
「葵―?」
前方から葵の名前を呼ぶ2人の声。
葵の双子の妹、楓と、その彼氏、兼幼馴染みの聡汰たちの姿だった。
「葵の知り合いか?」
コクリと頷いた。
「じゃ、じゃあ、僕、行くね」
なんだか急に恥かしくなって、一方的に言葉を切ると急いで2人のもとに走っていった。
「楓ちゃん! 聡汰!」
「あ 葵。よかったぁ~。お前また迷子になったかと思っただろ!」
「あはは、ごめんね。
桜が綺麗でね、ちょっと見てたんだ」
言い切って、上を見上げる。
「ほんとだ……。かなり綺麗だな」
「綺麗だな、じゃないでしょ聡汰!葵ちゃん!」
急に名前を呼ばれて、ビクリと肩が震えた。
「な なぁに?」
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