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「うわぁっ」 急に抱き付かれたので、 バランスを崩してしまいそうになる。 「あぶねっ!」 すかさず葵の背後に 聡汰が回り2人を支えた。 「あ ありがとう。聡汰」 「おう。2人とも大丈夫か?」 ニコッと微笑まれて、うんと返す。 「ご ごめんね、あおちゃん」 「んー? 僕は大丈夫だよ! 楓ちゃんは怪我ない?」 不安そうに見つめて繰る楓に 笑みを作って安心させる。 「うん」 「よかった……」 ほっとしたのか、強張らせていた表情が柔らかくなった。 「楓ちゃん。 ちゃんと聡汰にもお礼いわなきゃ」 「え?」 「聡汰が支えてくれたから 僕たち怪我しなくてすんだんだから」 ちゃんとお礼いわなきゃ駄目だよ? 言い足して、楓を真っ直ぐ見つめる。 「うっ……わかってるよ…」 .
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