故郷

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旅館につくと 女将と仲居さんが 出迎えてくれた 長い廊下のさきに部屋はあった 仲居さんが お茶を用意してくれた 「お客さん東京からこられたそうで 仕事かなにかで」 「ええ…」 「平井村に伝わるキリスト伝説について調べたくて 仲居さんはしりませんか?」 「あぁ その話しね よく来るんですよ でも 誰も信じてませんよ この辺の人は 気にもしてません」 「キリストの墓はあるんでしょ?」 「ありますよ それがねキリストの墓平井村でなくて この村にあるんですよ」 「え?」 「しりませんでした? 表妙寺の裏山にあるんですよ 何で お寺の裏あるのか 不思議ですよね」 私はア然とした 何故和尚は お墓の話しをして くれなかったか? 私を試したのか? わからない 不思議がふかまるばかりだった 「それでね あのお墓の七不思議が 古いお墓なのに 全然 古い感じがしないんですよ 見て見たらわかりますよ」 「そうですか 一度見てみたいですね」 「では 温泉にでもつかって ゆっくりして下さい 」 「ありがとうございます」 不思議なものだ 平井村 が キリストの村 と思っていた 何故隣町にお墓が… 卑弥呼の神話より古い 日本における 神秘であると感じた 温泉に入りながら いろいろ考えていたら 少しのぼせてしまった 部屋に帰ると 食事が用意されていた 山の幸の 豪勢な料理だった 私はまた あの本を 読み直していた 私は そのまま眠りについた 朝早い時間 外から ドーンと 大きな 音がした 私はびっくりして 目がさめた この地方は夏白夜になるらしく 夜中3時なのに そとは 真っ白 まるで夢の中のようだ 私はその向こうがわに白い服の10人くらいの人々を見た 不思議に思った こんな時間に その人たちは 表妙寺の裏の方へ消えていった
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