episode 01

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「麗、ど―したの?ムスッとしちゃって」 イライラしているアタシの顔を、なつが可愛い顔して覗きこんできた。 「ん―…」 まさか、アイツのこと考えてたなんて言えない。 とりあえず曖昧に返事をした。 「?」 そんなアタシを見て、またまた可愛く小首を傾げるなつ。 「……アタシ、恋に落ちちゃった…」 窓のほうを向いて、遠くを見てちょっと気取って言ってみた。 「えぇっ?!またぁ?!こないだの“図書室の人”はどうなったのっ?」 あら…? “また”とか言われちゃったよ。 「誰?それ……」 真剣な顔して聞いてみた。 そしたら―… 「もう…。今度は誰?」 「ハァ」と小さくため息をもらされた…。 でも、誰だか気になるようで、ちょっと上目使いで聞いてきた。 …もうっ、なつは何をしても可愛い! な―んて叫びたいけど、藍ちゃんに睨まれるから言わないけど。 怖いもん、藍ちゃんのあの無言の睨み…。 こないだの“図書室の人”とは、よく図書室で勉強してた2年生(多分)の人。 なんかメガネがかっこよくて、放課後は図書室に入り浸ってた。 メガネかよっ!? って、3人につっこまれたけど。 「4組の田宮くん♪」 「田宮くん?」 「そうっ。可愛いカンジなんだよね。廊下ですれ違ったときビビビっときちゃってサ」 「4組で可愛いカンジって…。宮本くんじゃないの?それ…」 .
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