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「麗、ど―したの?ムスッとしちゃって」
イライラしているアタシの顔を、なつが可愛い顔して覗きこんできた。
「ん―…」
まさか、アイツのこと考えてたなんて言えない。
とりあえず曖昧に返事をした。
「?」
そんなアタシを見て、またまた可愛く小首を傾げるなつ。
「……アタシ、恋に落ちちゃった…」
窓のほうを向いて、遠くを見てちょっと気取って言ってみた。
「えぇっ?!またぁ?!こないだの“図書室の人”はどうなったのっ?」
あら…?
“また”とか言われちゃったよ。
「誰?それ……」
真剣な顔して聞いてみた。
そしたら―…
「もう…。今度は誰?」
「ハァ」と小さくため息をもらされた…。
でも、誰だか気になるようで、ちょっと上目使いで聞いてきた。
…もうっ、なつは何をしても可愛い!
な―んて叫びたいけど、藍ちゃんに睨まれるから言わないけど。
怖いもん、藍ちゃんのあの無言の睨み…。
こないだの“図書室の人”とは、よく図書室で勉強してた2年生(多分)の人。
なんかメガネがかっこよくて、放課後は図書室に入り浸ってた。
メガネかよっ!?
って、3人につっこまれたけど。
「4組の田宮くん♪」
「田宮くん?」
「そうっ。可愛いカンジなんだよね。廊下ですれ違ったときビビビっときちゃってサ」
「4組で可愛いカンジって…。宮本くんじゃないの?それ…」
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