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ドアを開け、少し進んだところにある「執務室」。
本来はもっと分かりやすく「マスタールーム」とでも書くべきだったのだがマスターが「マスタールームってなんかいや。」という単純かつ最高の我が儘でこの名になった。
コンコン…と軽く二回ノックすると直ぐに「どうぞ~」と女性の声が聞こえ、ドアを開けた。
『ただいま戻りまし「お帰り~~リッく~ん」ッ」
セリフを言い終わらない内に女性がホリックの鳩尾に突っ込んだ。
この人間砲弾…もとい女性がソフィア=ソロモン。ギルド「不死鳥の羽」のマスターであり、ホリックの母である。
「心配したのよ~。病気はしてない。怪我してない。」
『マスター、大丈夫ですから離れて下さい。』
「ああもう、マスターじゃなくてお母さんよ。もしくはママでも可。」
『はいはい、家にいるときはそう呼びますから。で、任務は何ですか。』
「冷たいなぁ。」と唇を尖らせむくれる母に苦笑する。
「まあいいわ、次の任務は魔法学園アルテミスへ入学よ。よろしくね。」
ホリックが凍り付いたのがソフィアにもわかった。
ソフィアはそれを黙ってニコニコ笑っていた。
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