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『母さん、何を言ってるんだ。俺はわざわざ学園に行かなくても知識も技術もある。』
ホリックの反論にソフィアは真剣な表情になった。
「違うわ、そこじゃないのよ。貴方、私以外の人には殆んど馴染もうとしないでしょ。」
この言葉にホリックは固まった。
『…そんな事はない。』
「言ってる割には足が震えているわよ。やっぱりまだ人と関わるのが苦手なんでしょ。」
『…だからそれを直す為に学園へ行けと。』
「そういう事。ま、本当はね…あなた、同年代の友達なんていないでしょ。だから是非とも作って欲しいっていう貴方の母親としての望みもあるのよ。」
何処か胸に響いた。
ホリックは本当の子でもない自分を思ってくれるソフィアが大好きだった。
断れる訳がなかった。
『わかった、学園へ入学しよう。』
ソフィアがニッコリ微笑んだ。
「ありがとうリッくん。それじゃあ、明日から準備ね。一緒にお買い物に行きましょう。」
さっきとは正反対な嬉々としたソフィアの声が執務室に響いた。
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