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「ようリック、お前学園に入学するんだってな。」
執務室を出てすぐ、書類の束を持ったホリックと同じ位の年齢の少年に声を掛けられた。
『カインか、何故それを。』
彼の名はカイン=キリウス。ギルドランクSであり二つ名「雷光」の名を持つ者である。
そしてホリックが親しく話せる数少ない人物の一人である。
「知ってるも何も、マスターはお前がこの前魔界に行った日から決心して言い触らしてたんだぜ。『あの子を絶対入学させるんだ』って。」
『端から計画通りだった、ということか。はめられた。』
少し落胆して呟くホリックをニヒヒと笑う。
「まあそう言うなって、マスターもお前を思って考えた事なんだから。」
『それはわかっているがな…』
感じるやるせなさに肩を落とす。そこでふと、カインが持ってた書類に目が行った。
『カインその書類はマスターへか。』
「ん、ああ、そうだが。」
『そうかそうか…』
ホリックが怪しい笑みをしたのを見てカインは悪寒が生じた。
『カイン、相談だ。この提案にのってくれ。』
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