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「失礼しまーす。マスター、書類でーす。」
ノックをし、入ってきたカインが持つ書類の厚さを見てソフィアは露骨に嫌な顔をした。
「うわ、また厚いわね。そこに置いておいて、明日は休むから明後日にやるわ。」
「いやあ、これ、明日中に終わらして欲しいんすよ。」
「嫌よ、明日はリッ君とお買い物に行くんだから。」
嫌がおうでも休むつもりのソフィアにカインは思い出した様に言った。
「そうだ、さっきそこでリックに会ったんすよ。んでこの事話したら伝言頼まれましてね。」
「伝言、なに。」
「『仕事が大変だろうけど頑張ってね、応援してるよ、ママ。』以上です。」
ソフィアの中で「ママ」という単語が連呼される。
「よーし、やる気出たわよ。ママ頑張るからね、リッく~ん。」
ソフィアが叫んでいる間にカインは部屋の外にでてポツリと呟いた。
「ホンッとお前が色々恐ろしいぜ。リックよう。」
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