プロローグ ―その地は―

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ザッザッザッ… その荒野を一人の少年が歩く。 夜空を照らす月のような銀の髪に晴れた日の空のような蒼い瞳をした少年。 彼はこの荒野を歩く足を急に止めた。 静寂が漂う。 風が、彼の鼓膜を震わせ、低い音を彼にきかせた。 彼は空を見ていた。 雲一つない、紫色の空を。 そしてやがて、まるで独り言のように呟く。 『いるんだろ、早く出てこい。ベルゼブブ。』
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