プロローグ ―その地は―

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スウッと空間が裂ける。 そして中から現れたのは天使だった。 いや、本当は天使ではない。 何故なら彼の翼は真っ黒だからだ。 そして彼は天使等ではない。 彼はかつては神と崇められていたのだ。 彼の者はかつては「蠅を殺す神」、そして今は人を悪へと導く「蠅の王」。 その名も「ベルゼブブ」 「お前か、魔操士よ。」 『初めまして、とでも言おうか。』 凛々しく、何処か神々しい声に魔操士と呼ばれた少年は軽く挑発するかのように返す。 「私と契約しに来たのか。」 『ご名答、分かってるなら話しは早い。どうする。』 暫く沈黙が続く。 そして、ベルゼブブははっきりと告げた。 「良かろう、汝と契約しよう。」
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