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バシュッと風と共にホリックが現れる
ギィ、と目の前にある木製のドアを開く。
ドアの横にある看板にはデカデカと「ギルド『不死鳥の羽』」と書いていた。
開けた途端、騒がしい程の賑やかな声が聞こえる。
酒を飲む者、食べ物を食す者で溢れていた。
ホリックはその中を悠然と歩き、一番奥の受付まで行った。
『済まないがマスターはいるか。』
カウンターに片手をつき、受付嬢に尋ねると受付嬢は顔を赤らめて答えた。
「は、はい、只今お部屋で執務をなさっております。」
『そうか、わかった、ありがとう。』
軽く礼を言い、近くのドアから奥へと入って行った。
「あの人は確か…」
ホリックが去ってから受付嬢がポツリと思い出した様に呟く。
「ギルドランク0の、魔操士様…」
受付嬢の声は喧騒に飲み込まれ、誰にも聞こえる事はなかった。
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