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くそ…
妃那め…余計なことを…
思い出しちまう…
あの惨劇を…!!
お前は大丈夫だと思ったんだろうが、こっちはまだ欠片も忘れられないんだよ!
瞼の裏、網膜、視神経、脳、魂まで!!!
絶対に癒えない傷になって残ってるんだよ!
絶対に忘れない…!アイツの顔だけは!
例え生まれ変わってもアイツだけは!!
絶対…ゼッタイ…ぜっタイ…ゼッたい……………
「ーーーい!」
「おーー!」
「おい!!」
ハッとする弥波。みるといつの間にか復活した荘司が弥波の肩をつかみ、揺すっていた。
ああ…またやってたのか…
「悪いな、荘司」
「別にいいけどよ…。あれから二年だ。忘れろとは言わない。けど、そろそろ踏ん切りつけないと…悲しむぞ?」
誰が、といわないあたりが彼なりの優しさなのか、弥波は自嘲気味に笑い、
「精一杯努力するよ」
と答えた。
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