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朝とは望んでいなくともやってくる。それはどこにいても変わりのない事で、友井家にもやってきた。
桜の家庭は上流。父は、製薬会社の社長を勤め、母は父の秘書をしている。家族構成は父、母、姉、桜、妹である。
「サク、起きなさい」
「んん……」
甘ったるい声で桜は目覚めた。
目を開けるとそこには姉の桃がいた。
少し垂れた目が優しそうな雰囲気を作りだし、目尻にあるホクロは大人っぽさを表しているかのようである。
「桃姉おはよ」
「おはよサク」
目を擦る桜に姉、桃は微笑み、挨拶を返す。
ちなみにサクとは桜の愛称である。幼少の頃からサクラと呼ばれるのが嫌だった桜の為に姉と母がつけた呼び名であった。
「桃姉、重いよ」
と、桜がうなだれる。何故なら桃は桜の上に乗っかっているからである。
「あら、女の子に重いだなんて言っちゃ駄目よ?」
「だって重いんだから仕方がないじゃん」
「反省の色無しね。こうなったらお仕置きしちゃうんだからね」
うふっと笑って桃は手を桜の下半身に伸ばした。
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