分類の結果

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私はツキを持っていたのかもしれない。 市原ではこのツキを大事に、真面目に務めようと思った。 移送されるバスでは手錠がかけられた。 腰の縄はつけられなかった。 手錠のかけ方もきつくない。 私は手錠から手が抜けてしまうような気がして左手で右手にかかっている手錠を抑えて右手を抜いてみた。 当然、職員にはみつからないようにだ。 すると右手が抜けてしまった。 これがバレると脱走行為になり、きっと何らかの処分を受けることになるに違いない。 私は焦った。 市原では真面目にやろうと決心した矢先、こんなことで罰を受けたくない。 手を元に戻そうとしたがなかなか上手く手錠に手が入っていかない。 抜くときは簡単だったのに、急いだことと焦ったことで上手くはかどらない。 今、職員に見つかったら大変なことになるかもしれない。
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