地獄の日々

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ハヤトさんは頑張っている俺ら二人を認めてくれて、これからハヤトさんの席に呼んでくれることを約束してくれた。とうとうヘルプ(指名ではなく指名をもらっている人の席に着いて盛り上げたりお酒をつくったりするテーブルの雑用人)デビューが、決まった。その日ワクワクで眠れなかった。ハヤトさんにも殴られた事があったので一瞬不安になったが当日はテーブルマナーなど細かく教えてくれた。その日からシンちゃんとの朝飯は少し楽しい前向きな会話に変わった。その日初めて年齢の会話になって俺は19歳、シンちゃんは21歳、ハヤトさんは29歳だった見た目は凄く若かったので、シンちゃんと二人でドン引きした。その頃のハヤトさんはナンバー5だった。輝いて見えた。ハヤトさんやハヤトさんの客に怒られながら基本のマナーを叩き込まれた。今まで自分が描いていた水商売とはまったく違って、基本の大切さを実感させられた。いまでも汚いノートに当日のメモ書きが残っている、今読むと訳が分からない部分もあるが、これだけは、一生捨てられない宝物だ。
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