地獄の日々

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同期の一人がキャッチで太い客(太いは金になる、細いは金にならない)をつかんだ、いきなりドンペリとか飲んじゃって羨ましかったのと嫉妬心で自分が情けなくなった。その頃の心の支えは一生懸命に頑張っていたヘルプだ、お客さんや先輩が誉めてくれるくらい上達していて、もう殴れたり怒られたりする心配はなかった、むしろヘルプに関しては教えていた。たまに意地悪な先輩にはイジメられたりはしたけど、後に俺と売上対決をすることになるんだけどね。そんなことは簡単に我慢できるほど成長していた。給料もヘルプがメインだが最低限の生活ができる程度は貰えるようになった、あとは先輩やお客さんからのチップが結構もらえて、それだけで食事代や交通費になった。そんなある日、シンちゃんが初指名をとった、キャッチではなくフリーの客(指名のない客)の場内指名(店内でお気に入りを見付けて指名すること)だ。何か俺も嬉しかった。その日からシンちゃんのヘルプには必ず俺がつくようになった。仲良しだから仕事もしやすくて凄く嬉しかった。初めて仕事が楽しいと思った瞬間だった。
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