地獄の日々

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気付くとヘルプだけの日々、シンちゃんは着実に指名を増やしていた、俺はヘルプが忙しくてフリーの客にはつけないし、キャッチも行けない状態だった、出勤前のキャッチもヒカルさんの派閥に入ってからは店以外の雑用やヒカルさんのお客さんの機嫌とりなどで、自由な時間はほとんどなかった。いつのまにか新人にヘルプを頼まれる始末だ、悔しかった。周りはどんどん出世していくし、ヘルプが一番でも何にもならないじゃなかと疑問の日々が続いた。指名はいまだゼロ、なのにヘルプはダントツトップ。ノイローゼになりそうだった。シンちゃんも気を使ってくれて枝(指名客が連れてくる、まだ指名の決まっていない連れや友達のこと)を俺をヘルプに呼んだときに紹介してくれた、案の定、他のヘルプが忙しくて、あまり話ができない、そしてその子は他の奴の指名客になる。そんな悪循環が続いた。そんなある日あまり話しした事がないナンバー②のタクヤさんにトイレでバッタリあった、いきなり『やめるなよ、必ずお前の頑張りを見てる客はいるから、絶対やめるなよ』と酔った口調で俺のホッペを軽くペシペシしながら言った。心にグサッと突き刺さった。
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