初指名からの苦難の道

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お客さんが風俗で働くようになって一番変わったのは売上だ、それを見れば罪悪感がいつのまにか自分の実力のように思えてきた。ナンバー⑩になり給料がはねあがったときは、罪悪感は少しもなかった。その頃、シンちゃんも着実にナンバー入りしていた。派閥は違っていても友達関係はずっと続いていた。初めてナンバー⑩になったとき、俺をホストクラブに紹介してくれた二丁目のオーナーに会いに行って近況報告をした、俺はドンペリ入れて、かっこつけてナンバー⑩になった自慢話をしに行ったのに、あっさり『自慢はナンバー③以内に入ってからでしょ、ホストでドンペリご馳走してくれるならピンク以上でしょ、ヘタレね』って言われて超凹んだ、俺の努力は何なんだと思ったのと、チキショー絶対ナンバー③以内に入ってみせると決心した瞬間だ。それからは当分二丁目には近付かなかった。上を目指すのも相当な苦労が必要だった。大体のホストクラブは大金を使う風俗嬢と水商売の子が何人かいればナンバー①になれる、しかし俺が努めていたところはお店のスケール自体大きいので、ツワモノが多くて簡単にはナンバー①にはなれなかった。
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