ウサギの純愛

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レイコさんの思いを胸に秘めて、俺は一心不乱に努力した。ゴルフを始めて銀座のママに付き合ったり、歌舞伎やオペラを見に行ったり、乗馬をさせられたり。はっきり言って苦痛だった。ただ不思議だったのが、こんな感じだと必ず肉体関係になるのだが、ママはまったく興味が無いようだった。だからかもしれないが、さほどお店で大金を使う訳でもなかったから、プライベートで会って、いろんなことを教えてもらった。当然ケンジさんもシンちゃんも一緒だった。今考えるとママのパトロンがケンジさんだったのだろう。その頃になると店内でも目立つ存在になっていた俺は、当然フリーのお客さんが興味をしめして指名してくれることが増えた。そんなとき不思議な客が来店してきた、いきなり席についた従業員にドンペリをご馳走して、軽く会話楽しんで、シンちゃんを指名してきた。理由はタイプだからだそうだ。その日の内にルイ13世をキープして、フルーツを頼んでワインやドンペリで大騒ぎ、本来怪しいお客さんには売掛(ツケで飲むこと)にされと困るので大金は使わせない、しかし先に現金を見せられたらしょうがない。シンちゃんは棚ボタだった。
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