出世と崩壊

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ナンバー①のヒカルさんはいきなり俺に『どうだ仕事は面白いか?』と、きいてきた。俺は『ハイ、イロイロありますが』しか返す言葉がなかった。ヒカルさんはその後、二時間位話をした。内容はホスト引退の事だった、俺はあせったヒカルさんが引退したら、無条件で俺はナンバー①になる、あっけないナンバー①だ。しかし俺は勢いがあったから、このまま行けばナンバー①には実力で行けると思っていた。ヒカルさんは最後に『お前にナンバー①取られる前にナンバー①譲る形で引退したいからさ』と言った。俺が認められた瞬間だった。俺はヒカルさんが引退するまでヒカルさんを抜かずに、余った余力でマンションを買ったり、車を買ったり、旅行に行ったり自分磨きをしていた。もうナンバー①は目の前にあった。当然ヒカルさんが引退することは、従業員みんな知ったいたので、暗黙の了解でみんな俺をヨイショするようになっていた。凄く気分がよかった。俺のお客さんたちも日々テンションがあがっていくのがわかった。社長からはヒカルさんが辞めてナンバー①になってもヒカルさん以上の売上をあげないと駄目だぞと言われた。俺は自信があった。
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