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訳も判らず言われた通りに石畳に近くにあった石の破片で名前を彫る。
「“カイ・リデル”」
「よくそこから見えるな」
相手は真向かいの牢屋に居てよく自分の彫った名前を読み取れたなと感心した。
相手は苦笑しながら
「何年も居たらそれくらい判るさ」
と言ったのだ。
「・・・・・・俺は何もしていない」
「なら何で居るんだ?」
「それは・・・・・・」
気がついたらこんなとこに居た。唯それだけだった・・・・・・。
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