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2009年 8月14日
「なんでこんな暑い時期に引っ越しなぞしなければならないんだ…。」
照りつける太陽の中荷物を運びだしながら青年は言う。
青年の名は春哉。齢十七。
「仕方ないでしょう。手伝ってあげてるだけ感謝しなさいよ。」
汗だくで荷物を運ぶ少女。齢十六。
彼女の名は唯奈。
唯奈は小学生の頃ずっと春哉と同じクラスだった。所謂幼なじみというものだ。
しかし中学二年生の時に春哉は両親の都合で一度転校してしまった。その後又都合により戻ってきたというわけだ。
「ありがとうよ。感謝してますよ。」
棒読みで挑発的に春哉は言う。
「全く…。いきなり戻ってきたと思ったら感動の間もなく手伝えだなんて。」
「まあ良いじゃないか、幼なじみだろ。」
「本当都合のいいやつ。」
喧嘩するほど仲がいい二人。これから起こることなど誰も知るはずがないだろう。
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